ひとくち伝言 平成12年7 月(112号)





 先日の仏教テレフォン相談に、こんな電話が飛び込んできました。
 「渋谷区内にお寺は何軒くらいあるんでしょうか…」
 「少々お待ちください、東京都の寺院名鑑を見てみます。…渋谷区は…と…、渋谷仏教会の名簿には、三十七カ寺のお寺がありますね。」
 「その中で、たしか、浄土宗だったと思うけど、何軒位ありますか。」
 「浄土宗は…、○○寺と、××寺と…、△△寺の三カ寺ですね。」
 「そのなかで、渋谷駅に近いお寺はどこでしょう」
 「えーと…、最初のお寺は神宮前、つまり原宿だし、次は千駄ヶ谷、もうひとつは幡ケ谷ですから、どれも渋谷駅の近くではないようですね…」
 「わー、どうしよう…、今日、そこで法事があるので行くところなんですけど、地図を落としちゃったんです。」
 「えっ、そりゃ大変だ。最初にそれを言ってくださいよぅ…。そこは、前にも行ったことあるお寺?」「はい。大きな通りから左へちょっと入ったところというのは、覚えているんですけど…」「大きな通りって、明治通り、それとも青山通り?」「分かりません」「お寺の名前は?」「分かんない…」「落とした地図の寺名に何という漢字があったか、思い出せない?」「それが思い出せれば苦労はないんですけど…」
 とにかく大急ぎで都内の区分地図を調べたものの、地図にすべてのお寺が記してあるとは限らないし、こうなってくると「浄土宗」と言うのも全くあてにならなくて、万事休すとなりました。仕方がないのでこう言いました。
 「交番できいた方が早くない?」
 帰宅してから渋谷駅付近の拡大地図を開いてみると、最初に答えた三カ寺の最初のお寺が実は正解だったようで、すべての条件が当てはまりました。電話相談の難しさは、焦って調べなければならないことなんです。
 このやり取りで学んだこともありました。それは、お寺の名前というのは一般にはなかなか覚えてもらえないものだということです。
 それから、尋ねる時に一番肝心なことを最後に言う人もいるということですね。最初は当たり障りのない質問で様子を見るのでしょうか。ほかにも、長く話を聴いているうちに、相手がいちばん知りたかったのは最初とは全然違うことだとわかってくる場合が、たいへんよくあるのです。
 電話相談というのはこんな具合で、何の見返りがあるでもなく、白山のビルの一室の片隅で電話に振り回され続けて、のべ十万件になりました。

百観音明治寺 住職 草野榮應







   ひとくち伝言板   

平成12年(仏紀2565年)7,8月の行事ご案内

7月 2日(日) 午前9時半より  写経の会

7月 6日(木) 午後1時半より  法話の会

  〜 … 15日まで お盆のお棚経  … 〜

7月17日(月) 午後1時より  月例大祭 ならびに
      盂蘭盆 おせがき法要 塔婆供養

7月12,26日(水) 午後6時半より 「時」を坐る、坐禅の会

7月30日(水) 午後6時より 百観音献灯会


8月17日(木) 午後1時より  百観音月例大祭




 半夏生がお化粧を始めました。草木がまったく季節を間違えないことに、感心してしまいます。次々と感心しているうちに、一年が過ぎてしまうのですが…
 百観音献灯会、毎年変わらないようでいて、必ずどこか新しいところのあるお祭です。ことしはどんな光と音が、いのりの世界を演出してくれるでしょうか。

……… PRのコーナー ………
 日米身障者交流チャリティ ダンス公演「ドリームズカムトゥルー」
  7月8(土)、9(日) 横浜ラポールシアター^(新横浜北口歩10分)…電動車椅子の滑らかな動きを取り入れた、優雅なダンスの舞台表現です。
  ビデオを拝見して、思わずウーンとうなりました。これまで思いも寄らなかった、電動車椅子でなければできない演出による、新しい表現のジャンルです。
  住職からも是非お勧めいたします。チケット有り。ご希望の方はご連絡を。

 第8回 日本ホスピス・在宅ケア研究会 横浜大会
  7月8(土)、9(日) 於 神奈川県民ホール/ワークピア横浜
  シンポジウム「がん患者さんのこどものケアを考える」
  ミニシンポ「こころの問題と宗教の役割を考える」
  特別公演「ふたたび 病院で死ぬということ”を考える」山崎章郎氏
  「わたしが望む21世紀の医療・介護」永六輔・ピーコほか
   〜プログラム満載なので、詳細はお問い合わせください。〜




東京都中野区沼袋二ノニ八ノ二〇
百観音明治寺 草野榮應