ひとくち伝言 平成14年1月


能伏災風火 普明照世間

平成十四年(壬午)[みずのえうま]
西暦二〇〇二年、仏紀二五六七年 元 旦



 清らかな新年の光を仰ぎ、謹んでご挨拶を申し上げます。
 当山もつつがなく新年を迎えることができますことを、日頃のお心尽くしの賜物と感謝申しあげ、あわせて、皆様の門々に限りなき歳福の到来を念じあげます。

 さだまさしの作曲の中に「天然色の化石」という歌があります。その歌は、「デパートの恐竜展で、不思議に思ったことがあった」といって始まります。
 『化石から復元された恐竜たちは、なぜみんな、緑や黒の悲しい色に塗られているのだろう。ピンクや赤や黄色や、とかげのように虹色に光っていてもいいと思わないか』と問いかけます。
 『もしも五億年が過ぎて、地球に次の人類が現れていたとして…、たとえば人間の言葉を真似る小鳥がいたり、犬が可愛らしく尻尾を振ってなついたことや、海も空も森も人間たちが壊してしまったことに気づくだろうか…』と歌い、そして、
 『もしも僕が…、愛する人と並んで化石になっていたとしたら、こんなに深く愛し合っていたことに、誰が気づいてくれるだろうか…』
 合間には繰り返しの部分が挟まれ、そこは次のように歌われます、
  『God Bless You  あなたが 永遠に しあわせで ありますように』と。

 五億年とはまた、とてつもない時間です。もしその五億年後の未来の生物に、今を生きた我々の姿が化石となって発見されたらどうなっているだろう、という問いかけは、想像力を刺激し、様々なことを考えずにはいられません。
 そして、去る九月十一日以来世界に起きた一連の激しい出来事を思うと、五億年後にはおびただしい廃墟や残骸や、地中の地雷や砲弾が化石の層をなして、続々と出土する場面を想像してしまいます。そして、未来人の学者はこう言うかも知れません。
 「人類というのは、高度な技術によって優れた構築物を建設したが、一方では片っ端から破壊することにも情熱を注いだようだ」と。あるいは「彼らは、共通の敵がある時に限って、互いに仲が良かったらしい」などと、うがったことを見抜くかもしれません。いずれにしても総じて人類は、あまり賢明な生物ではなかったと見なされても仕方がないような気がします。
 しかしながら…。ひょっとして彼らが、かつての沼袋あたりを堀り起こし、微かなほほえみをたたえた石仏を発掘したとします。彼らがそれを見てどういう意味を汲み取るかは知るよしもありませんが、人類にも何やら深い精神の営みがあったのかも知れない、と考える可能性がないとは言えません。心のどこかで私たち人間は、深く澄みきった叡智と慈愛の心を持ちたいものだとあこがれてきたのであって、必ずしも戦争ばかりやってきたわけではないという一面もあったのだと、そのように理解してもらえる望みがあるかも知れません。話は少々途方もないことになりましたが、この百観音境内の観音さまはひょっとすると五億年後に向けてのメッセージをも託されているのかも知れないと考えると、これは大変なことだということに思い至るのです。
 夜寝るとき、添い寝する母親に、「毎日祈っていて、世界は平和になっているの?」と問いかける子供の心があったことも、なんとか五億年先まで伝わってほしいと思うこの頃でございます。

 どうかみなさま、心身ともにお健やかな中で、ゆっくり平和を祈る良き一年となりますよう、心より念じ上げます。 合掌

百観音明治寺 住職 草野榮應







   ひとくち伝言板   

明治寺;〒165-0025 東京都中野区沼袋2-28-20



平成14年(2002年・仏紀2567年)の行事ご案内

(毎月十七日の月例法要は、午後一時から) 


一月一日(火)修  正  会 (元朝護摩供)
一月十七日(木)初観音大護摩供 ならびに 開基 榮照法尼 忌
二月三日(日)節分祭・星まつり (午後二時より) 
二月十七日(日)月 例 法 要
三月十七日(日)春彼岸 大施餓鬼会
四月八日(月)降  誕  会 (花まつり)
   (予定 花まつりコンサート・チェンバロの夕べ)
四月十七日(水)月 例 法 要 ならびに 開山 密信大和上 忌
四月二十九日(月)・慈音会・多宝塔供養祭  
五月十七日(金)月 例 法 要
六月十七日(月)月 例 法 要
 (七月初旬より お盆棚経)
七月十七日(水)盂蘭盆 大施餓鬼会
七月二十八日(日)
予定
百観音献灯会 (夕方六時より)
八月十七日(土)月 例 法 要
九月十七日(火)秋彼岸 大施餓鬼会 
十月十七日(木)月 例 法 要
十一月十七日(日)月例大祭 大護摩供 
     ならびに 境内石仏総供養
十二月十七日(火)月 例 法 要 (納めの百観音法要)

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その他の月例行事
 (変更もありますので、ご確認ください。)

第一日曜日   : 午前九時より 写経の会(小筆一本お持ちになれば結構です)
*二月のみ第二日曜日(二月十日)となります。*
毎月六日     : 午後一時半  法話の会(肩の凝らない法話のつどい)
第二・四水曜日 : 午後六時半  坐禅の会(静寂の時を味わう坐禅の会)




東京都中野区沼袋二ノニ八ノ二〇
百観音明治寺 草野榮應