ひとくち伝言 平成11年2月(97号)





 先日やってしまった失敗談をひとつ。急いで石油ストーブの燃料を補給しようと思いました。ところが給油ポンプが見つからないのです。あのサイフォンでパコパコとやる、あれのことです。「ついこの間使ったのに」と思いながら探すのですが、これがどうしても見つからないんですね。仕方がないから近所の金物店へ買いに行くと、まだ開店前でした。それで四,五軒先の電器店へ行くと「うちにはありません」と。そりゃ当然ですよね。それでもうひとつの遠い方の金物屋まで足を伸ばして、ようやく買ってきました。ところが、帰り道に最初の金物店の前を通ると、すでにこちらも開店してまして…。がっかりしながらうちへ帰って給油をしようとしたら、前に使ったポンプが石油タンクにちゃんと添えてあるじゃないですか。埃よけのために袋に包んでおいたのは、何を隠そう、この私だったのです。ここまでくると、もうがっかりする前に自分で笑ってしまいました。
 以上、ただのどうしようもない無駄騒ぎでありますが、しめた、これで「ひとくち」がひとつ書けるぞと気づくと、もうにんまりしてしまって…。
 それにしても、あれだけ懸命に探したのにどうしても見つからないものが、気分を入れ替えてもう一度探すとちゃんと見つかって、しかも見つからないのが不思議という状態で出てくるということが、皆さんにはありませんか。血眼で探している時って、どうしてあんなに見つからないものなんでしょうね。見ているのに見えていないというあの心理状態は、まるで意地という罠にはまってしまったかのようであります。こういう時って気持ちを入れ換えるのに、何かひとつ、勇気が要る感じですね。
 畳屋さんが興味深い話をしてくれました。畳職人はよく研いだ刃物や針などを使います。ところが、手元には端切れなどが散乱しますから、道具が見つからなくなることが多いわけです。焦って探しにかかると、例によってなおさら見つからない。そんな場合には、わらの切れ端を作業台の足に結わえつけるおまじないをするそうです。そうすればちゃんと見つかるんだと昔から職人の間に伝わっているのです。そういう知恵というのは人の心の機微をよく捕らえているものですね。そして、昔の職人も同じように探しパニックを起こしていたのだと思うと、うれしくなります。
 法要で僧侶が着座する時、左右の袖口を指でなぞる作法をします。まるで袖を見せびらかしているみたいですが、あの身繕いも、気持ちを切り換えて、心を落ち着かせる手順のひとつなんです。これも古人の智慧ですね。
(榮)






   ひとくち伝言板   


平成11年(仏紀2564年)2月の行事ご案内

2月 3日(水) 午後2時より  百観音 節分会・星祭り 護摩供法要

2月 7日(日) 午前9時より  写経の会

2月 17日(火) 午後1時より  百観音月例法要 太鼓のお経と法話

2月10,24日(水) 午後6時半より ゆったりすわる、坐禅の会




 ただいま節分の準備中の真っ最中…
 歳男・歳女や星供護摩ふだのお申込み、撒き物ご奉納など、たくさんお寄せいただき、ありがとうございます。今年も賑やかに楽しく、真摯に厳修いたします。

 こういう時だけ仏紀を併記するのも唐突ですが、暦も色々あって、世界中が世紀末という訳でもないということを言うために、併記を続けたいと思います。
 とはいえ西暦1999年を避けることもできません。新聞テレビは世紀末を言いますが、しかしそれはすでに、とっくの昔に到来していて、そのトンネルの出口がすぐそこまで来ているということです。「世紀待つ」ですよね。
 まずは、明るい声で「鬼は外、福は内」と、春を呼び込みましょう。

 御法会の新規お申込みを数人の方からいただきました。有り難うございます。
 2月中に、本堂の右手の上壁に会員名を追加させていただきます。

 切手代感謝録 藤田いくみ様、野田瑠璃子様、遠藤よし子様、藤岡輝子様、穂刈節様、風間小枝様、大原匡二様、百件千鶴子様、桑山幸子様、青柳妙子様、福島きよ子、魚田純子様、杉浦暁美様、辻野眉子様、榎戸京子様、匿名様


  丸山小学校の3年生が、「地域の昔調べ」で観音に来てくれました。庭の観音様のスケッチを送ってくれた中から、いくつか力作をご紹介いたします。


観音様−力作3点


東京都中野区沼袋二ノニ八ノ二〇
百観音明治寺 草野榮應