ひとくち伝言 平成11年10 月(104号)





 「色即是空(しきそくぜくう) 空即是色(くうそくぜしき) 」を、名取芳彦著『…なんだそうだ、般若心経』は、このように説明してくれています。
 「物(=色<しき>)はすなわち「条件の集まり(=空)」ということだし、条件の集まりがすなわち物という形になる、というのです。」???…。
 「たとえば、お寿司屋さんで太巻きを注文したとしましょう。太巻きは海苔と酢飯とかんぴょう、キュウリ、でんぶなどを簾で巻くという条件がととのってはじめて太巻きになります。キュウリだけならカッパ巻き、かんぴょうだけならかんぴょう巻きです。
 この場合の太巻きが色しきです。そして空は、その時の材料と味付けと作る人という条件によって太巻きは変わるということです。ですから『色即是空』は『太巻きは即ち、その時の材料と味付けと作る人によってできている』ということでもあります。また『空即是色』は『その時の材料と味付けと作る人によってできるのが即ち、太巻きである』ともいえます。」
 それに続けて、『受想行識も亦復是の如し』を説明してこう言います。
 「できあがった太巻きをお寿司屋さんは、丸ごと一本出すわけにはいきませんから、輪切りにします。その切り方も盛りつけの仕方もお寿司屋さんの感性にかかっています。なるべく食べやすいように、見た目に美味しそうに切り、盛りつけられて私たちの前に出されます。お寿司屋さんが違えば、違った太巻きが、違った盛りつけで出てきます。
 また、食べる私たちも、その日の気分で味わい方が変わります。一人で食べる時、仲間と食べる時、気を使う人と食べる時では味が違うのはどなたでも経験があるでしょう。
 ですから、お寿司屋さんによって太巻きが変わるだけではありません。私たちがその太巻きをどう受け取り、どう味わい、どんな思いで食べるかも、材料、盛りつけ、お店の雰囲気などで変わってしまうということです。
 このように私たちがどう思うかも、決していち様ではない……それが、『受想行識も亦復是の如し』ということです。」
 こういう説明を読むと、「般若心経って、何だか面白そうだな」と思われるでしょう。勿論、太巻だけが空であると言っているのではなく、世の中にある物事すべてが…、もちろん「私」という、今ここで生きている人間との出会い方もまた、同様に「空」だと言っているわけです。この本がどこにでも売っているといいのですが、限定出版なのは残念ですね。
(榮)






   ひとくち伝言板   



平成11年(仏紀2564年)10月の行事ご案内

10月 3日(日) 午前9時より  山鳩をききながら、写経の会

10月 6日(水) 午後1時より  法話の会

10月17日(日) 午後1時より  百観音月例法要 観音経読誦と法話

10月13,27日(水) 午後6時半より こおろぎを聴きながら、坐禅の会




 11月20日(土)午後5時より
『笛とことばのしらべ』(篠笛と語りのリサイタル)
情趣豊かに織りなされる「語り」の世界を …秋の夜長に…

 大野利可さんの篠笛と、井出聖子さんの物語りとの出会いを楽しむ夕べです。

◎チケット・3000円 / 会場・百観音明治寺本堂

 篠笛とは、笛吹き童子や牛若丸が吹いている、あの横笛のことです。なじみは深いはずなのに、今やじっくりと聴けることが滅多にない音色です。
 語りの井出聖子さんは、興福寺の阿修羅像に魅せられて、埼玉から奈良へ何度も通われた方ですが、日本中の笛にまつわる民話を収集されたり、創作の物語をお書きになったりしています。
 詳細は次回にお知らせいたします。どうぞお楽しみに。・・・・・・・
 ご報告
百観音献灯会の結果、日本ユニセフ協会には¥68,645円を寄付することができました。皆様のご協力を感謝いたします。

 ともしたお灯明 902灯 / ご奉納総額 ¥171,000円


東京都中野区沼袋二ノニ八ノ二〇
百観音明治寺 草野榮應