ひとくち伝言 平成11年7・8 月(102号)





 最近、嘘ということについてじっくり考えてみたいと思うようになりました。嘘と言っても色々あります。ひとをかばうための嘘、喜ばせるための嘘もあるし、また最初はそのつもりがなくとも結果として嘘になってしまうようなものもあります。それから上沼恵美子がお笑いで言う嘘がありますね、私は大坂城の家主だ、淡路島も私の土地だなど、初めから嘘とわかるものは嘘の部類に入るのだろうか、などということも考えてしまいます。はたまた小説という虚構もまた嘘には違いないのですが…。
 嘘にも色々なものがあって、世の中をそれだけ賑やかにしていますが、問題なのは、巡り巡って結局は周囲や自分を傷つけてしまう嘘で、これは笑っていられないのであります。そういう場合の嘘の構造をよく考えてみると、もしもその嘘が通ってしまえば、必ずどこかで代わりに悪者にされてしまう人ができてしまうわけですね。そうなるとこっちは黙っていられなくなる、こういう連鎖が出てきてしまいます。
 例えば、山さんがある嘘を言ったとします。かかわりのあった川さんの認識とは明らかに違ってる、でも事実は一つしかないのだから、山さんが言うことが通ってしまえば、川さんが理解している事実は無いことにされてしまいます。つまり嘘というのは、川さんが事実だと考えている世界そのものを消し去ってしまうことになります。慈悲が相手を生かすことであるならば、嘘は慈悲に反することになります。世界中の宗教が殺すな盗むなと同列に、嘘をつくなを並べているのも、深い理由があるのですね。
 嘘も方便と言うから、仏教は嘘に寛容なのではないかと思われがちですが、本当はそうではないようです。出典となった法華経の火宅の譬えでは長者は遊びに興じている子供たちに「火事だ」と、最初に事実を伝えています。それでも子供たちが見向きもしないから、あえて方便を講じて子供たちを外へ連れ出す話なのです。だから、方便と嘘の間には大きな隔たりのあることを、確認しておきたいと思います。
 慈雲尊者、仮名法語の不妄語の章には、嘘を言ってはならない根拠がこう述べられております。
天地万物、ありのままの真実の姿の中に広大無辺の仏の徳がやどり、したがって真実に開かれた言葉にこそ力が具わっている。嘘を言うことは、わずか二、三人をあざむこうとして、天地神祇の冥助を失い、仏性の徳をも損なうのだ……
 嘘は徳と力を失う、その実例は至るところで見ることができますね。
(榮)






   ひとくち伝言板   

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平成11年(仏紀2564年)7・8月の行事ご案内

7月 4日(日) 午前9時より  写経の会

7月 6日(火) 午後1時より  法話の会   ぼつぼつとお棚経

7月17日(木) 午後1時より  百観音月例法要 ならびに盂蘭盆おせがき と 法話

7月25日(日) 午後6時より  百観音献灯会

7月28日(水) 午後6時半より ゆったりすわる、坐禅の会

8月17日(火) 午後1時より  百観音月例法要 ならびに教典読誦 と 法話

(他の行事は、夏休みとさせていただきます。)



 今回は、テーマが大きすぎてちょっとまとめきれませんでした。言わずと知れたサッチー騒動にちなんでのお話ではありますが、この騒ぎは実に様々な人間模様を見せてくれているような感じがします。沢山のことを教えられる思いです。

 毎年7月末の日曜日は、百観音献灯会です。
 お灯明券と添え護摩のセットが、500円で買っていただけるようになっております。どうぞよろしくお願いいたします。

 切手代感謝 大森藤三様、笠木千束様、牧原佳子様、畠山敏子様、藤田美奈子様、村井国郎様、野田瑠璃子様、魚田順子様、杉浦暁美様/有り難うございました。

〜PRのコーナー〜
*オルガンによる「四季」*

A.ヴィヴァルディ/G.武久 with poem and dance

〜ヴィヴァルディの「四季」をめぐる 音楽と詩とダンスのコラボレーション〜
(パイプオルガン:武久源造、詩:雨宮慶子、ダンス:北野啓子)

 日時  1999年7月23日(金) 午後7時開演
 会場  神奈川県民ホール・小ホール  全席指定3000円

 主催 神奈川県民ホール 045-662-5901
 チケットぴあ 03-5237-9990



東京都中野区沼袋二ノニ八ノ二〇
百観音明治寺 草野榮應