ひとくち伝言 平成23年1月

不 生 不 滅 不 垢 不 浄 不 増 不 減
                          平 成 二 十 三 辛 卯  年
                          西暦二〇一一年 仏暦二五六五年 元 旦

 一年前のこのご挨拶で、般若心経の「阿耨多羅三藐三菩提」は「無常の完全な悟り」の意であり、二年前には「羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶」は仏様方が私たちに『一緒に成就の世界に行きましょう』と声をかけてくださっているのです、と述べました。同時に『三世の諸仏の智慧を以て彼岸に到る行を志すことにより完全な悟りの境地を得たまえり』と意訳されていると申し上げました。また、回向文にも「我らと衆生と皆共に仏道を成ぜんことを」とあるように、仏様方はいつも私たちと一緒に行をなさりながら導いてくださっている、そのような願いを抱いておられることがわかります。お経は仏様のお言葉ですから、本当に尊く有り難いと思います。
 再び般若心経の話に戻りますが、表題の部分は『生ぜず 滅せず 垢つかず 浄からず増さず 減らず』と読み下してください。心経の根底に流れる空の観点から観ると、生まれることも滅することも、汚れや清らかさ、増すことや減ることも、何の隔てもないと訳されます。この論を以てすれば眼・耳・鼻・舌・身・意(心)の感覚も、色(もの)も声(音)・香(香り)・味・触(肌で感じるもの)・法(心で感じる仏のみ教え)も無いことになりますが、仏様はこれらの欲や拘りを捨てることにより「転倒」や「夢想」を「遠離」することができると説いておられるのです。物事に熱中している時に空腹さえ忘れることがあるように、み教えを感得すれば苦から解き放たれるに違いない……
しかし、このような悟りを開くことは並大抵ではありません。少しでも仏の境地に近
づくことができるよう、日々これを心がけたいと存じます。
 ところで、平成二十三年は百観音明治寺の開創百年の年に当たりますので、記念の事業を行なうことになりました。実行委員会にて委細の計画を立ててまいりますが、記念法要では副住職榮雅の晋山式(住職就任式)を併せ営みます。更に、先代榮應和上の誓願でありました多目的ホールの建設、木彫りの観音像を迎えるなど、事業内容は後ほど差し上げる趣意書の通りでございます。皆様にはぜひご賛同をいただき、お力
添えを賜れば真に幸甚でございます。
 観音さまは慈悲の眼で私たちをお見護りくださりながら、ご自身の行をお続けになっています。戴く慈悲の心で広く大きく世の中を見、毎日を大切にお過ごしくださいますようお願いいたします。平成二十三年が安心の一年となることを願い、併せて益々のご健勝とご精励をお祈り申し上げます。
                                                  知明拝

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    平成二十三年 行事ご案内   毎月十七日の法要はすべて午後一時からです

 一月一日(土) 修 正 会(元日護摩供・ご祈祷)
 一月十七日(月) 月例法要 初観音大護摩供 ならびに開基榮照法尼祥月忌
 二月三日(木) 節分祭 星祭 午後二時より法要 豆撒き
 二月十七日(木) 月例法要
 三月十七日(木) 月例法要 春彼岸 大施餓鬼会
 四月三日(日) 花まつりコンサート
 四月八日(金) 釈迦降誕会=花まつり
 四月十七日(日) 月例法要 ならびに開山密信和上祥月忌
 四月二十九日(金・昭和の日) 慈音会法要・多宝塔供養祭
 五月十七日(火) 月例法要
 六月十七日(金) 月例法要
 七月十七日(日) 月例法要 盂蘭盆 大施餓鬼会
 七月三十一日(日) 百観音献灯会 夕方六時より
 八月十七日(水) 月例法要
 九月十七日(土) 月例法要 秋彼岸 大施餓鬼会
 十月十七日(月) 月例法要
 十一月十七日〜十九日(木・金・土) 百周年祭
 十二月十七日(土) 月例法要(納めの百観音法要)

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  毎月第一日曜日午前九時より 写経の会 小筆をご持参ください
                但し 一月は九日(第二日曜日)に変更いたします
   百観音明治寺百年祭記念行事の詳細については
              後日、改めてご案内させていただきます